命を生き切る
一昨年にたまたま観た、NHKスペシャル「自閉症の君が教えてくれたこと」で知った、東田直樹さん。
「自閉症の僕が飛びはねる理由」を書いたことで、多くの人が初めて自閉症の人の心の内側を知ったという。
今では、この本は様々な言語に翻訳されて、世界中で、読まれており、今まで謎に包まれていた自閉症の世界を明かしてくれました。
彼は、会話が上手く出来ない重度の自閉症ですが、文字盤やパソコンを使えば、自分の意思を伝えることが出来るそうです。
今では、作家として、エッセイや小説を書いたり、講演活動も行なっているとの事。
私は、彼が紡ぎ出す独特な着眼点や言葉が大好きで、ブログも愛読中、すごく自分の心に響くものばかりで、魂の深いところまで、揺さぶられます。
今までで、一番、私の心を打ち、振えた言葉があります。
今でも、何度も思い出しては、涙し、励まされる・・・
" 僕は、命というものは、大切だからこそ、繋ぐものではなく、完結するものだと考えている。
命が、繋ぐものであるなら、繋げなくなった人は、どうなるのだろう。
バトンを握りしめて泣いているのか、途方に暮れているのか。
それを思うだけで、僕は悲しい気持ちになる。
人生を生き切る。
残された人は、その姿を見て、自分の人生を生き続ける。"
人それぞれ、命を繋ぐバトンを渡したり、受け取れない事情がある場合もある。
私もその中の一人。
その事が、どうしても、大きな壁となり、時折、心を塞ぎ、絶望的な悲しみの淵に追い込む。何の為に生まれてきたのか、何度も問い続ける。辛くても、悔いても、生きていくしかない。
命は、繋ぐものばかりでなく、それぞれの人生を生き切る、ただそれだけ。
そう思うようになれた時、心の底から救われた。
繋ぐことに固執していた命は、それぞれ完結したものだと捉えたら、だいぶ心の重荷が軽くなった。
私には、もう、命は繋ぐことは出来ないけれど、他の物事で、人と人や物事を繋ぐことは、出来る。
私が、繋いでいきたいのは、きっと、そんな奇跡…
私も、誰かも、この世に命を授かり、生き切ることに、愛と喜びを感じていけることが、ひとつでもあるならば、もう既にそこに、奇跡が生まれている証拠である✨
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